PERは「株価が利益の何倍か」を表す指標
PER(Price Earnings Ratio、株価収益率)は、その会社の1株あたりの利益(EPS)に対して、株価が何倍まで買われているかを示す指標です。「今の株価は、会社の稼ぐ力に見合っているか」を測るモノサシだとイメージするとわかりやすいです。
計算式はシンプルです。
例えば、株価が3,000円で、1株あたり利益が150円の会社があったとします。この場合、PERは「3,000円 ÷ 150円 = 20倍」です。これは「今の利益水準が続くとしたら、投資額を回収するのに理屈の上では20年かかる」という見方もできます(あくまで単純計算上の目安です)。
PERが低いと割安、高いと割高というのが基本の見方
PERは数字が低いほど「利益の割に株価が安い=割安」、高いほど「利益の割に株価が高い=割高」と判断されるのが基本的な考え方です。
| PERの目安 | 一般的な見方 |
|---|---|
| 10倍前後 | 割安と見られやすい水準 |
| 15〜20倍前後 | 市場平均に近い水準 |
| 30倍以上 | 成長期待が高く織り込まれた水準 |
※あくまで一般的な目安であり、市場全体の水準は時期によって変動します。個別の投資判断の基準にはしないでください。
業種によってPERの「普通」は全然違う
ここが初心者がつまずきやすいポイントです。PERは同じ業種の会社同士で比べてこそ意味がある指標で、業種をまたいだ比較にはあまり向きません。
- 成長中のIT・半導体企業:将来の利益成長への期待から、PERが50倍・100倍を超えることも珍しくありません。
- 成熟した業種(電力・銀行・自動車など):利益成長のペースが穏やかな分、PERは一桁台〜10倍台に収まることが多い傾向にあります。
つまり「PER100倍だから買ってはいけない」「PER8倍だからお買い得」と単純に決めつけるのではなく、同業他社と比べてどうか・成長期待とのバランスは妥当かという視点で見ることが大切です。
PERだけで判断してはいけない3つの理由
PERは便利な指標ですが、これだけを見て投資判断をするのは危険です。理由は主に3つあります。
① 赤字企業には使えない
利益がマイナスの会社はEPSもマイナスになるため、PERが算出できません(「PER算出せず」と表示されます)。成長初期のベンチャー企業などによく見られます。
② 将来の成長期待をどう見るかは人によって違う
PERが高いのは「割高」なのではなく「将来の利益成長を先取りして買われている」だけ、というケースも多くあります。その期待が妥当かどうかの判断は簡単ではありません。
③ 利益の「質」までは教えてくれない
一時的な資産売却などで利益が膨らんでいる場合、PERは低く見えても実態は割安とは言えないことがあります。PERだけでなく、売上や利益の推移も合わせて確認するのが安全です。
PERはあくまで数ある判断材料の一つです。配当利回りやPBR(株価純資産倍率)など他の指標、会社の事業内容とあわせて総合的に見る習慣をつけましょう。